[10月15日 リヨン2日目]

昨日はヴィエンヌという街をあまり体感できなかったので今日はロアンヌに昼から行ってその街を楽しんでみようと朝(といっても9時過ぎだけど)おきて支度を整えたらすぐに駅に向かった。そう、今日は私の一番行きたいレストラン、TROISGROSに行くので大興奮!
買い物好きな私はどーしてもリヨンの駅ビルが気になって仕方なかった。切符を買い終えて(もちろん私は横で笑ってるだけ)駅ビルを覗くとスニーカーショップ発見!実は履きなれた靴であっても街の散策にはちょっと足がつらかったので青いナイキのスニーカーをGetしおきまりの絵葉書を購入して電車に乗り込む。ソーヌ河、ローヌ河を渡りリオンの上の方にあるロアンヌという街に向かう電車の中の景色はきれい。とうもろこし畑やとにかく雄大に広がる緑の畑、緑があふれている。途中、牛が放牧されていたりと自然に豊かな景色。私は香水と煙草の臭いに負けていた車中(笑)だが乗った電車のかなりの渋さが気に入った。ドアが手動だったりネ!
リヨンから北西へ約90km、ロワール川に臨む人工約4万人ほどの街、ロアンヌ!車中では簡単にトロワグロについて「トロワグロ兄弟、今は亡き父と兄のソースの名人といわれたジャン・トロワグロの後をピエール・トロワグロ息子のミッシェル・トロワグロの守るお店」と主人から簡単にご教授。電車から降りたら二人ともウキウキモ〜ド!泰典は鼻歌が止まらない。何故か二人で乾杯の歌を歌ってました(^^)帰りの切符を泰典が買い駅を出る。ロアンヌ駅周辺は建物が少なく見るからに暖かそうな街でもあり整理された奇麗な感じ...駅前にあるTROISGROSホテルとレストラン。外にはレストランのメニューがあったので二人で見ていると、お店に入ってく日本人はあの有名なホテル・ド・ミクニのシェフ、ミクニキヨミだった!気にせずに二人でメニューを見て、あと数時間後に食べることのできる喜びが隠せない!その場と立ち去ることができず、15分はいたんじゃないかしら?トロワグロの住む街を知ろうと散策することに!
ロアンヌ喫茶店
まず最初に目にとまったのが公園。その前に小さなお店が立ち並ぶ。ん?ケーキ屋さんがある〜と見に行くと沢山のケーキ、しかも大きいのが窓ごしに沢山あるの。外からビデオ撮影をしたいたら「っていうか中入んね〜〜?」と主人。入るしかないでしょう(笑)お店に入るとオババァがいる!きんちゃくみたいになってるケーキ。洋梨がのっかていてオレンジの皮できんちゃくのところが結んである。きんちゃく(クレープ地)の中にはバナナとショコラが入っていて美味しい。主人が食べたのはシュークリームとチョコレートケーキ。このお店にはアンティーク調の手書きのお皿やシュガーポットがさりげなくおいてあって売り物なの。んー、なんて言えばいいんだろ。日本の駄菓子屋さんみたいな雰囲気。中ではケーキやクッキーショコラが秤売りされていてショコラ入れも売っていたの。このオババァは英語は全く通じないから私は身振り手振り。夫のフランス語が頼りっ。オババァとはすごく親しみがわいて二人でお店を離れるのが嫌で1時間はいたかな?記念に手書きのアンティーク皿を二枚買ってお店を出ようとすると、ドアのところまでお見送りしにきてくれてギュッと抱きしめあっちゃった!そしたら「あなた達の新婚旅行が素敵な旅になりますように」と言ってくれたの。そのフランス語は私も知ってたからドァーっと涙があふれてきちゃった。
更に歩くと奥に時計台の見える商店街。日本の商店街とは違うのよ、これが。そうだなぁ〜代官山とかを歩いてる感じかな?このコショウ挽きも発見しちゃって主人が気に入り購入(笑)なぜか我が家にはコショウ挽が4つも(^^;商店街をぬけて見えた時計台に行くと大きな教会だったの。素敵な教会だったので写真におさめようと一生懸命離れて撮ってもフレームアウトしちゃうの。ホントウに大きかった!また商店街に戻るとお肉屋さんを発見。やっぱり本場の生ハムとサラミは食べたいよね?と固まりをカットしてもらってちょっとづつお買い物。もちろん私は買い物なんて出来ないから主人が注文!私はその姿をビデオ撮影係さっ。すごく沢山食べたいものはあったけど日本には持って買えれないし日持ちしないから我慢、我慢!またまた歩いているとふと目にとまった中世のヨーロッパを感じさせる大きな建物。見ていてかなり感動なの。なんだろうね?と近づいてみるとパブリケーションズマリアージュ!と書いてある(らしい)泊まることもできる結婚式場みたい!噴水も目の前にあって大きなドアの前には階段。こんなところでフラワーシャワーをしたら最高だろうな!って思います。またキョロキョロしていると空に浮かぶ十字架発見!教会だぁぁ〜!と二人で建物の合間から見える十字架にむかってテクテク。ステンドグラスの窓のある教会は歴史を感じられる。この街を歩いて思ったのが地面が砂じゃなくて茶色の砂利が多いなぁ〜って。この教会、ホントウに大きくてシンデレ城よりも大きい!この教会を後にレストラントロワグロに向かうんだけど私もいささか興奮気味(笑)ちょっと時間が早そうなので駅前のカフェでコーヒーを飲み興奮を抑える。コーヒのオーダーはさすがに慣れたようで主人はごく自然に注文してる。荷物をごそごそ整理してカメラにフィルムの確認していざ出発!

私が前菜で食べたのはエスカルゴ。真ん中にトマトがあってその中にもエスカルゴ!主人は生牡蠣。生牡蠣は普通に殻をあけてそこにレモンの輪切りをのせて出すというビストロとは違い殻をあけてチョウツガイを切って魚の塩のだしを骨と一緒に出したうまみのジュレと辛みのあるクリームと上にわかめをのせて実だけをのせたレモンと飾りに貝割れ。とにかくハンパない!メインは私は大好きなオマール!丁度産卵の時期で卵を持っているオマールはオマールでも一番美味しい時期で卵と一緒に食べるという最高の料理を食べることができました。レモンとバター、パセリのクリーム。目の前で3人がかりでフランベして頂き感動!主人はペルドーという山にいる野鳥。うずらと少し似ていて白身肉。ピジョンに近いけどそれほど癖のない感じ。これも目の前でサービスしてくれました。「これは一枚目のお皿だよ〜」といわれて「ウィ」と返事してたのに「次はデザートだ・・」と思ってたらまたサービスが始まって(笑)それでも、ペロリと食べちゃいました!

トロワグロは一番食べやすい気がしました。お腹はいっぱいなんだけど胃にウゥ〜とくるような事が無く食べやすいと思いました。デラックスデザートというのがあったので二つお願いすると、驚いたことにフルーツのコンフィーとフレッシュフルーツが沢山運ばれて来て選べたの。お皿半分にフルーツ、半分はソースで絵を描いてくれたの!皮付きのいつじくと山葡萄フランボワーズを主人が季節のものを、と選んでくれて彼はあんず、アプリコット、、、って頼みました。次はなんだろう?と思っているとケーキの盛り合わせがどかーん!クリームキャラメルを食べました。シャーベットは?と聞かれましたがお腹もいっぱいなのでお断りしました(涙)

と、サロンに案内され煙草タイムそのサロンは壁からなにから何までモスグリーンで統一されたお部屋。コーヒを頂き、その空間の中にいるお客と自分達を見比べると頭の下がる思い。そりゃそーだ。こんな若い夫婦の来れるレストランなんかじゃないもん(笑)おもしろいレストランの造りに興味を持つも束の間、私は例のごとくトイレへGo!トイレはサロンからトイレにいく間もまるで誰かの家のように自然にソファーがおいてありました。トイレの中は入ると左手に洗面台。シンプルなトイレでしたが観葉植物が置いてあったこと。

やら君の言葉

昨日のヴィェンヌはラ・ピラミッドの想い出を胸に今日はロアンヌ、レストラン・トロワグロに来ました。温かい人情味あふれる街の人々、トロワグロでの最高のサービス、、、、。素晴らしいの一言。今までの日本人の努力の結果を垣間見た気がした。最高の料理をありがとう...とても最高の想い出になりました。明日はフランス料理最後を飾るポールボキューズです。すごいことになる気がしますが・・・・。

かなこの言葉

このレストランの感想は私には上手にお話することが出来ない...。どのレストランで食べた料理よりも食べやすかった、それだけじゃない。辻静雄という一人の人間との繋がりからなのか、私達日本人でフランス料理人を志す主人への気持ち、それだけでもない。途中、私は何度も涙が溢れてきた。その理由は言葉として表現できないけれど、何もかもが私の魂に響くことばかりでした。

私が泣いた事をかなり恥ずかしがると、主人は「こういう場所に来ると多くの人緊張がぬけなかったりするし、料理を食べそれほど感情を表現できる人も珍しいし、逆にそれは料理人として幸せなことだと思うから恥ずかしくなんかないよ」と言ってくれたけど恥ずかしかった(笑)私はまたココに来たい、そう強く思った。そして、トロワグロがテーブルに来てくれても笑顔で、顔で表現するだけしか出来なかったことが非常に悔しかった。もう少し言葉を知っていたなら、違ってたのでは?と悔しかった。いつか私達はここに来たい、その時は自分の言葉で食事が出来て幸せだったことを伝えたい、そしてフランス料理というものを、もう少し知りこの空間で楽しみたいと心から思った一夜でした。

[Next]